最近は手作りのものも含めて、非常によく出回っていて、ご覧になったり、実際触って鳴らしてみたりされた方も多いと思います。
楽器というよりは、四角い木箱にまたがって、素手で、掌を開いたり少しつぼめたりしながら、ごく適当に叩いているかに見える、あれ、です。南米の、多分きちんとした楽器のない中で、人々のやむにやまれぬ歌心が、空き箱を叩くことから始まって生まれてきたものだろうと想像してます。
僕は実際にカホンを使い始めて間もないのですが、全くその魅力に取りつかれています。
リズム感の良い人が体の中からあふれてくるリズムを表現するとすれば、机やカバン、お皿や茶碗を叩いたってかっこいいわけです。カホンはそんな楽器だと思い込んでいたのです。ですからそんなリズム感を持ち合わせていない僕は、カッコいいなあ、と眺めるだけで自分のやってみようとは思いませんでした。
ところが、とあるステージで、ギターの弾き語りの横で鳴るカホンは、別に細かい動きをするでもなく、タン・タン・タン、とそれこそ淡々と打っているだけに見えました。それがベースが鳴ってるくらいに心地よいのです。こんな使い方もありか・・・・、ならば、ということで早速手に入れたわけです。面白がってずっと叩いていると掌が膨張してグローブみたいに腫れぼったくなってきます。
僕のことですから当然障がいのある仲間の音楽での活用が主眼です。いろんな人にやってもらいました。もちろんいろんな叩き方があって面白いし、何よりやっている本人が楽しんでいるのが音にも表情に現れてきます。
ただ、うつむいた姿勢で腰より下のカホンを叩くことになるので、太鼓腹系の人は苦しくて、うまくいきませんでした。
カホンの面白いところは、叩く場所によって音色が違う、おんなじ場所でもちょっとした具合で音が変る、でも狙ったところを外したらダメなわけでは全然ありません。歌声はもちろん、ギターやなんかともばっちり具合よくマッチします。まずは何でもいいのでほかの楽器と一緒に合わせてみてください。決め事は全然いりません。それこそ適当にやるのです。それでも何となくかっこいい感じは表現されるでしょう。
もちろん、叩き方にもテクニックがあって、ネットの動画でも勉強できます。きちんと学びたい人は、まずは基本のエイトビート、それにオカズを入れる、さらに16ビートという風にやっていくのもよいでしょうねえ。ですが、まずはカホンにまたがって、バシャ、バシャ、とかタン、タンとか、タタッ、タタッとかいろいろ音色を変えながら歌ったり、ほかの楽器と合わせてみるのが一番ですね。
カホンが入ってきたからと言って、ほかの楽器の人が邪魔に感じることはまずないので、障がいのある方やご高齢の方の合奏に持ち込むのにはもってこいですね。ちょっとかさばるけど重くもなく、持ち運びも容易です。是非使ってみてください。
音楽療法士 吉田 豊
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