メーカによって呼び名が異なります。ピアニカ、メロディオン、ピアニーなどが有名どころでしょうか。扱い方に大差はなく、パイプを本体に差し込んで、吹きながら(息を入れるわけ)鍵盤を押す。
鍵盤の数によって、どのメーカーも何種類か出しています。
例えば単純なメロディで、1オクターブで済ませることのできる曲なら大きなものはいりません。でも、2番あるいは3番でいオクターブ上で吹いたりして変化をつけることもできるので、鍵盤数は多い方が便利かも知れませんね。
指の操作は普通のキーボードと変わりませんが、何せ吹く楽器ですから、タンギングやアーティキュレーションができるわけです。
例えば、鍵盤でドの音を指で押さえて息を入れれば、ドー、という音が響きます。そして、指は動かさなくても息の方で、トットットッ、とやれば、ド・ド・ドという歯切れの良い音になります。ブワーッとやればそんな音になります。
もう一つパイプを使わないで、マウスピースをつける方法もあります。小学校の鼓笛隊では整然と歩きながら演奏する必要があるので、パイプじゃなくてマウスピースを使うことが多いと思います。でもこれだと、鍵盤を見にくいので、しっかりと練習しないとミスタッチの可能性が大きくなります。
鍵盤ハーモニカの最大の特徴は、小さい、軽い、従ってどこへでも持って行ける、なのに音は相当でかい、ということです。
和音を吹いたりすることもできますが、基本的は単音のメロディ吹きで、十分な効果があると思います。高齢者の集団での音楽活動では、キーボーでいろいろな音を弾くよりも、鍵盤ハーモニカで明確なメロディを提示するのが良い、というベテラン音楽療法士の話を聞いたことがあります。かつて小学校の先生をしていた時大勢の子どもが勝手に吹く鍵盤ハーモニカをうるさい、と思ったこともあるのですが、それくらいパワーの出せる楽器です。
日本では、小学校の低学年から鍵盤ハーモニカを習うので、お子さんの使い古したものが眠っている可能性もありますよね。一度吹いてみてください。
鍵盤ハーモニカの音色はギターの単純なコード奏なんかとよく合うんです。素朴というか、何となく懐かしい気分とか。このシンプルな感じが鍵盤ハーモニカの真骨頂かという気がするときもあります。
ところがです。これがまた手練れのミュージシャンにかかると、めっちゃカッコイイ。いつも鍵盤ハーモニカを持っているミュージシャンもあります。いつでもどこでも、電気がなくてもやれますものねえ。
呼吸器系が弱く風邪をひきやすい、「なるべく普段から息をたくさん使うといい」というドクターの勧めで、僕の音楽療法に通ってくれる人があります。「瀬戸の花嫁」とか「高校三年生」など、彼女のメロディに僕がギターでじゃんじゃんやる。なかなかいいもんですよ。
また障がいのある人のグループで合奏する場合、鍵盤ハーモニカはメインでメロディを奏でる力があります。メンバーの中に練習をできる人がいれば、その人の鍵盤ハーモニカをみんなで聞きながら、コンガ、かんたんギター、タンブリン、ツリーチャイムなどで合わせていく。折々顔出すたどたどしさや、ミスタッチもそのグループの味となって、観客を感動させる演奏ができると思います。
音楽療法士 吉田豊
こちらで紹介されています楽器は、村井楽器オンラインストア から購入していただけます。また、松阪店 では実際に楽器に触れていただき音色を確認していただくこともできます。
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